身体からトラウマを解放する〜ポリヴェーガル理論〜

こんにちは。
ソマティックセラピストのじゅんこです。

前回は、生きづらさを感じていた場合に発達性トラウマ、そして気質に目を向けてみることについて書きました。

【前回の記事】生きづらさの原因を二つの視点で考える

今回は、その発達性トラウマに関して解消するヒントを「ポリヴェーガル理論」と言う神経理論から紐解いてみます。

私がポリヴェーガル理論を知ったのは、2018年にイギリス在住の心理セラピストの溝口あゆかさんが日本で講座をされ、その時のタイトルが「脳科学と自律神経」でしたが主にポリヴェーガル理論が中心の内容でした。

当時、溝口あゆかさんがポリヴェーガル理論はまだ日本には翻訳本がないとおっしゃっていたを記憶しています。

その後すぐに、2018年11月にポリヴェーガル理論を提唱したポージェス博士の翻訳本が出だので、日本に認知されたのはここ数年です。

個人的にも、ここ最近ボディワーカーとしての経験と心理の学び、そして自分自身が統合されてきたこともあり「トラウマは身体に刻まれる」=「身体から解放できる」と言うことをようやく腑に落とすことが出来たので整理する意味でもまとめてみます。

この記事は基本的には、ポリヴェーガル理論に関する講座や本のまとめになりますが、先の記事に書いたように「発達性トラウマ」は誰にでも起こり得てることなので、自分のネガティブなエネルギーを解放してより軽やかに生きたいと感じている方などにも参考にしていただけると思います。

ポリヴェーガル理論の基本

提唱は行動神経学者のS・W・ポージェス博士

「ポリ」は、複数の(poly)
「ヴェーガル」は、迷走神経(vagus)

日本語に訳すと

多重迷走神経・多層迷走神経の訳になります。

複数の迷走神経

これまで自律神経系には交感神経系副交感神経系、2つの神経があることは知られていた事だと思います。

交感神経系は活動する時に優位になり、危険が迫った時には逃げたり、戦ったりする時に働く神経。

副交感神経系は食べ物の消化や眠ったり、リラックスする時に優位に働く神経。

この二つの神経系のバランスで身体の調和を保っていると考えられてきましたが、ポージェス博士は新生児が無呼吸になる状態がある時に副交感神経系が関わっていることを発見し、本来ならリラックスを与えてくれるはずの副交感神経系が、無呼吸という命の危険につながる状態に関わっている矛盾から副交感神経系は2つの働きがあるということを発見しました。

一つは、これまで知られていた通りの消化やリラックスを司る働き。

もう一つは、危機に瀕した時に呼吸や心拍を極端に遅くし、シャットダウン(凍りつき)をさせる働き。

さらに、哺乳類だけの副交感神経系の中に、消化やリラックスを司る迷走神経と、それとは別に仲間と関わることを司る迷走神経があることを発見しました。

そして、消化や休息を司る迷走神経は、脳幹の背中側からスタートしていることから「背側迷走神経系

仲間と繋がることを司る神経は、脳幹のもう少し前側であるお腹の側からスタートしていることから「腹側迷走神経系」と名付けました。

神経系の進化の歴史

神経系の進化を歴史で見ていくと、背側迷走神経系→交感神経系→腹側迷走神経系と進化していく過程がシンプルに理解できます。

地球ではじめての生命は約35億年前、深海底で誕生したと言われています。

そして、一番古い生物に備わっていたのは背側迷走神経系です。

深海魚を想像しても、パクパクと口をゆっくり開けたり閉めたりしながら呼吸をして、酸素もあまり使わずに生息しています。

身の危険が近づいてきた時に関しては、じっと身を潜めて身を守る防衛反応をとります。

その後の進化で深海底から、もっと浅い海を素早く泳ぐようになると、じっと身を潜めることや酸素を使わないことでは生き延びることが難しくなり、危険が近づいてきた時は、素早く身体を動かして逃げることが必要になりました。
その過程で進化したのが、活動を司どる交感神経系です。

そして生物は陸に上がり哺乳類へとさらに進化し、腹側迷走神経系ができます。

哺乳類は、母親が子供におっぱいを飲ませて育てるので「絆」というものが形成され、特に人間は微細な交流を繰り返すことで、声の質や表情を察したりなどとても複雑な神経系が備わっていきます。

その進化から腹側迷走神経系は、人や社会を関わることや繋がること社会交流システムを司る神経系にもなります。

ニューロセプション

もう一つ、ポージェス博士が発見したことにニューセプションがあります。

neuro(神経の)

ception(受容)

で、ニューロセプション

ポージェス博士曰く、ニューロセプションは、常に周囲の状況が安全か否かを感じ取り判断している仕組みです。

道を歩いていて、急に猛スピードの自転車が通りすぎた時にとっさに身を引いたり、危険な状況に陥ったときに「なんとなく身体全体で感じ」、危険を回避する反応を起こせさせるものがニューロセプションです。

周囲の様子を察知してニューロセプションが働いて、神経系に逃げた方がいいのか、凍りついた方がいいのか、仲間と繋がれるかのなどを無意識に察知し選択しています。

「腑に落ちる」「腹を決める」などの、内臓からの感覚もニューロセプションが司って、ポージェス博士は内臓感覚を第6感と読んでいます。

ニューロセプションと発達性トラウマ

人のニューロセプションの発達は、健康状態や人生の経験によって大きく異なります。

子供の頃に、安心や安全を感じて育った人は、ニューロセプションも良好に発達し、安全と危険を適切に見分けることがで、仲間や社会と繋がることも自然にでき、危険に巻き込まれることを防ぐ能力も高いと言えます。

反対に、成長過程で安心や安全を感じることができずに育った人は、ちょっとした刺激にも過敏に反応したり、常に危険を探し緊張の中で生きてる可能性があります。
人間関係も無用に心を閉ざしたり、逆にどんな人にもなついたり、他者とのバウンダリーが弱いと言えます。

まとめ

ここまで、ポリヴェーガル理論とニューロセプションをまとめました。

心の学びの過程で、自分自身でもたくさんのクライアント経験をして、自分が感じていた生きづらさは幼少期の体験に由来していることは実感や理解を伴っていました。

心理セラピーで気づき、癒しを起こして解放することで変化していけます。

さらに、ポリヴェーガル理論を知ることで、癒しを起こし過去の自分と統合をしていけるヒントになると感じます。

ここからさらにボディワーカーとしての経験をもとに、気づきや癒し、そして自分自身を統合させていくヒントをブログでもご紹介していきます。

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